親の運転免許自主返納について
今回は運転免許の自主返納について考えてみました。
高齢者の事故、
テレビのニュースなどで悲惨な自動車事故が報道されていますが、
最近、よく目にする問題となっているのが高齢ドライバーが引き起こしてしまった事故です。
この高齢者ドライバーの事故ですが、
さすがに酒酔い運転や酒気帯びと言うような質の悪いものを見かけるのは少ないのですが、逆に、後方確認が不十分・慌ててしまった、うっかり事故と言えるものが事故が目立ちます。
高齢者ドライバーの事故の種類
高齢ドライバーの事故の原因について少し掘り下げてみたいと思います。
高齢ドライバーの事故の原因として、アクセルとブレーキの踏み間違いということが結構目立ちます。
たとえば、
上り坂に駐車していた車をバックで横に動かし、そこから発車しようというようなケースの場合、
車を動かし始めたとき、前に行かないで下がってしまうとギアがバックに入っていることを忘れ、前進させようとして、急いでアクセルを踏んでしまうというような行動になりがちです。
このとき、咄嗟(とっさ)にブレーキを踏めば事故は免れることができるのですが、大半は慌ててしまうということになりがちなのです。
その結果、
スーパーの立体駐車場から転落してしまったとか、かわいい孫をバックでひいてしまったという悲惨な結果にもなってしまっています。
高齢による運転の障害
高齢による運転の障害はいくつかあります。
- 瞬間的な判断力が鈍くなる
- 反射神経が遅くなる
- 視力の低下
- からだの老化
などがあります。
若いころには考えられなかった瞬間的な判断力の衰え、反射神経を働かせるまでの時間の長さ、視力が弱くなったり、老眼また遠視などの目の衰えは、乱視を狭くし事故への根本的な対応の鈍化にもつながります。
もちろん、地方にお住まいの高齢ドライバーは、普段の生活でも車運転が不可欠ですから毎日のように運転しており、
都会のサンデードライバーに比べれば、運転技術や判断力、反射神経も衰えないということはできますが、
一般的に言えば、年齢とともに、運転に関する適性は衰えるということは否定しようがないのです。
親に車の運転をやめさること・免許返納はできるか?
高齢ドライバーの身体的な衰えからくる事故の事例を見ると
どこかで運転を断念する必要がありますが、人間はいつまでも若くありたいという気持ちが捨てられません。
この事実を認めることは大変難しいことには違いありません。
自分で気づく高齢ドライバーはいいとして、周囲の人をハラハラさせる高齢ドライバーの場合は、家族や周りの人がそれとなく、言ってきかせる必要が出てきます。
高齢の親であれば、子どもとして何がしかのメッセージを発し、事故を起こしてしまう前に、車を卒業させることを真剣に考えなければなりません。
車の運転の話を切り出すタイミング
まず、話を切り出すタイミングですが、テレビのニュースなどが流れているときがときもっとも効果的です。
とはいえチャンスとばかりに畳みかけないで、布石を打つくらいから進めましょう。
一刻も早くという感じで迫れば、反発が生まれます。
家族で返納に誘導するには
家族で自動車免許の返納を誘導するに当たって、いくつかのステップに分けて誘導する必要があります。
車の運転に機会を減らす
車の依存度を減らすことが、返納へ誘導するための最初のステップです。
健康を口実に、今まで車を使っていたところまで歩くことをすすめたり、また、一緒に歩く習慣をつけたり・・・。
車の運転も少なくなってきたので事故の可能性も低くなりますし、
あわせて、お父さんもそろそろ卒業証書をもらう時期だねというメッセージを送りやすくなります。
自分自身を見つめ直させる
事故はあくまでも最終的な結果です。
その前には、事故にはならなかったけど、危険をはらむ状況は多々起きています。
同乗して感じたことを伝えたり、また、
何かヒヤリとしたこと、ハッとしたことない?を、自分で自分のことを振り返ってもらうことも重要です。
ハインリッヒの法則
1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというもの。
そのハインリッヒの法則「1対29対300」をもとに、ヒヤリやハッしたことが多くなると、いずれ大きな事故につながるよねというようなことも意識してもらいます。
数字を把握させる
車には、当たり前ですが、お金がかかります。
車の維持費、車検・保険・ガソリン・駐車場代・自動車ローンなど、金銭的に車を手放すことでの経済的なメリットがあることを伝えます。
維持費だけではお金に対してのメリットを感じにくいので、今乗っている車を売った場合、幾らで売れるのか?
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家族で親の運転免許書を返納させるときに気をつけること
高齢ドライバーにもプライドがあります。
免許書の返納を促すに当たっても、これを傷つけないように進めることです。
あくまで自主返納であって、強制はできないということも踏まえてです。
家族としては、自動車事故などで親には晩節を汚して欲しくないというような気持ちで接です。
自主返納によって得られるメリットも:運転経歴証明書など
高齢ドライバーが自主返納を行うことで、自治体によっては公共交通機関の割引などというメリットもあります。
そして、免許を返納する代わりに卒業証書として、運転経歴証明書を受け取ることができるというメリットもあります。
これは高齢ドライバーにとっては、表彰状的な意味合いもあります。
同時に、それまでは免許証が様々な身分証明になっていたのですが、運転経歴証明書は写真入りで、運転免許証のような体裁になっており、その後の身分証明書として使用が可能です。
運転経歴証明書の交付申請ができる期間は、運転免許証の取り消しを受けてから5年以内ですから、このことには注意が必要です。
運転経歴証明書の交付申請ができる場所
- 運転免許証センター
- 運転免許試験場
- 警察署
で申請できます。
運転経歴証明書交付申請の必要なもの
- 運転免許証
- 申請用写真1枚
- 住民票・健康保険証・パスポートなど身分証明できるもの
- 印鑑
- 手数料
が必要です
これらの手続きについてもあらかじめ確認して、高齢ドライバーが気分を損なうことなく移行できるように配慮も忘れてはならないことです。
人はいつまでも若くありたい、歳をとりたくないという気持ちが、いくつになってもあるということは忘れてはならないことだからです。
高齢者の事故を減らすことはできるのか?
警察庁は、75歳以上のドライバーの認知機能検査を強化した改正道路交通法が施行された2017年3月から同年末までに、
172万5292人が検査を受け、4万6911人が認知症のおそれがある第1分類と判定されたと発表したという。
それに合わせるかのように
車のアクセルとブレーキペダルを一体化させて踏み間違い事故を防ぐ「ワンペダル」が人気のようです。
開発したのはナルセ機材(熊本県玉名市)さんですが、
増え続ける注文に対応するため、今春から全国の工場で委託生産に乗り出す模様。
まずコンパクトカーなど高齢ドライバーが多い車種向けから量産し、対象車種を広げ、現在の10倍に当たる年間千台の生産を目指すとのこと。
高齢者事故の多くは、アクセスとブレーキの踏み間違え。
とっさの判断として踏み間違えることが多く、
このワンペダルは
事故を防ぐためにアクセルとブレーキを一体化させた世界で唯一 (※国内及び国際特許取得済) の『安全設計ペダル』で大きな靴底のような形状。
右側面のアクセルバーを右に動かして加速し、踏み込めばブレーキがかかる仕組みとなっている。
踏み間違い事故の防止効果を見込み、警察や自動車学校主催の試乗会が増えており、2017年10月には岡山県美咲町がワンペダル装着への補助金支給を決めた。